「特別支援学校3400教室が不足」のニュースについて現役教師が感想を述べる

こんにちは、たこ夫です。

現役教師なんて偉そうなことを書いていますが、あくまで普通の、経験もそこまでない私の感想なので教師全体の意見とは思わないでいただけるとありがたいです。ちなみに今回の記事は基本的に義務教育の話だと思うのですが、私は高校の教員なので支援学校についてということを考えていこうと思います。

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支援学校は人手が足りない?

私自身は支援学校への勤務をしたことがないので現場のことは正直なところわかりません。そもそも別の学校になると別の職場みたいなもので、抱える問題は全く異なります。支援学校について大阪府の採用試験の枠の変化を見ると人を欲しがっているのではないかと思います。

どの変がそう思わせるのかというと、今年度実施予定の教員採用試験については支援学校を希望するかしないかというのがあり(私が採用されたときもありました)、支援学校の枠で採用をされると普通科高校への移動はないのでは?という話が教員同士の会話で聞こえてきます。

学校には講師と呼ばれる、期間限定採用の先生がいます。そういう先生と採用試験について会話をすることになり、支援学校採用の話も出てくるということです。

年度末に毎年校長に提出して校長が教育庁に提出する「人事希望調査」というものがあり、これに支援学校の希望順位みたいなのを書くことができます。当然同僚とはどこを希望するかどうかとかの話をするのですが、支援学校を希望する人ってあんまりいません。希望する人ならばほとんどがすでに支援学校へ異動しているからかもしれません。そして、多くの教員が思い描く学校って自分が卒業した学校だと思います。教師になりたいと思ったときから基本的には中堅以上が希望になるのではないかと思います。

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採用されたが辞退ということもある

こういう理由から支援学校を希望する人が少ない。当然支援学校に新規採用した人を配属しても、特に大卒したばかりの人は理想と現実のギャップを感じやすいので離職率、辞退率が高くなることが考えられます。

近年は障がいに対する知識が広まっているので支援学校に行くという選択肢をとる人も増えているのかもしれませんが、支援学校を希望する教員はそんなに増えていないのかな?というのが実感です。

そして、支援学校というのは教員の責任という部分でのリスクが非常に高いのが現実です。一言で支援と言っても、知的・身体に分かれ、その中でも色んな種類の障がいを持った生徒がいます。中には命に関わる障がいをもっていることもあるので、もはや普通科や総合学科の教員とは全く異なる仕事と言えます。

人件費の問題が大きい

支援学校の担任の先生は1人あたり生徒4人くらいを担当すると聞いています。単純に人件費が高くなってしまうんですよね。

そもそも少子化の影響で子供が減っているのだから支援学校は今の数で対応できるのでは?という意見も私にもあります。実際のところは障がいに対する知識が広がったおかげで、昔なら「変わった人」と思われて生き辛かった人も普通科に通っていたのが、保護者や小・中学校で正しい知識を持った先生が上手に障がいとの付き合い方を考え、支援学校を勧めることも増えたのだと思います。

障がい者が増えたのではなく、世の中の障がいに対する知識レベルが上がったと考えるのが正しいでしょう。費用面の問題と受け入れる体制を作るところでギリギリのところで良いバランスをつくる必要があるようです。

終わりに

専門というわけでもないので深い話はできませんが、以上が一般的な30代教員が思った感想です。浅はかなんだろうな、と思いつつ書いているので何かまずい部分があったら教えていただけると私にとっても勉強になるのでよろしくお願いします。

そして、「障がいがある=健常者に劣る」ということはありません。きれいごとではなく。実際、私の勤務先に来る生徒は障がいを持っている生徒のほうが真面目な子が多い印象です。中には非常に稀有な特技を持っている子もいるので、個性として捉えてやると能力が生きます。保護者の方の理解が非常に重要なんですけどね。

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