この4月になって「給付型奨学金」というのが学生支援機構でできて各高校に通達が来た。今までは1種:利子なしの貸付、2種:利子ありの貸付という2種類であったのが、給付もできた形になる。
個人的には給付型奨学金っていうのは非常に良い制度だと思う。実際私が勤務している高校でも生活保護世帯や非課税世帯というのが多く、お金が理由となって進学を諦めている生徒が非常に多い。
ただ、今回の問題点は選考基準が明確でない上に、教育委員会側も具体的な説明ができない状態で各高校の奨学金担当への説明会を行った。結局教育委員会側も国から降りてきた制度なのでどう解釈していいか微妙だけど、各高校に通達しないといけない。という印象。
年度最初の保護者懇談で具体的な話ができないという状態であり、しかも2年以内の卒業生も対象になってくるらしく、学校に何人の枠があるのか不明ということになっている。
ちなみに対象者は・・・
- 成績優秀な生徒
- 校内活動で優秀な者
- 施設から通っている生徒
ということ。さらにガイドラインを読んでいると、「非課税世帯もしくは生活保護世帯である」が条件のように取れる文章であり、じゃぁ真面目に働いているが生活が苦しい家はもらえないのかな?と思った。この辺もこれから具体的に説明があるのかもしれない。
学生支援機構の奨学金
進学する生徒にはとりあえず全員申し込みをするように勧めている。なぜか。必要なければ後からキャンセルすることができるから。借金の申し込みを全員にさせることが良いことなのかどうかは賛否両論あると思うが、実際のところ進学する気満々であってもいざ授業料の支払いが必要になったときにお金がありません。というのでは悲惨な結末を迎える。
困ったときにすぐにお金を貸してもらえるようにしておいて何も損はないのでは???
ちなみに前に見た資料では2種の金利は1.7%くらいだったかな?普通の消費者金融とか銀行とかで借りるよりもやはり安心感はある。
問題点
結局のところ借金であって、ハイレベルな大学への進学費用として借りるのであれば元を取れる可能性は高いが、実際のところ所得と子供の学力は比例する傾向にあり奨学金をたくさん借りる必要がある生徒はあまり高学歴にならず、大学を出ても大した収入がないため借金の返済が滞るという事態になりうるのである。
たった一度の人生なのでやりたいことはやればいいと思いつつ、それでも自分の人生、子供の人生、大切にしないといけません。奨学金を借りるときはよく考えましょう。
給付型奨学金を受け取れる人は何も心配せず受け取ればいいと思います。それはその子が努力してきた結果ですから。